見出し画像

高難易度プロジェクトを成功に導く秘訣!

 SOMPOシステムズのエキスパートPMです。
 SOMPOシステムズは、SOMPOグループのシステム開発事業を背負っているため、商品開発・システムリニューアル・AI導入など大規模なプロジェクトが多数立ち上がっており、プロジェクトマネジャー(PM)として活躍する機会にめぐまれています。
 本日は、高難易度プロジェクトを成功に導く秘訣をお話しします。


エキスパートPMとは

 私は、社内のPM認定資格でエキスパートランクに認定されているPMです。この社内認定資格は、PMケイパビリティ・プロジェクト実績を元に、社内審査委員・外部審査委員によって評価される仕組みで、3段階(スペシャリスト・エキスパート・マスター)のランクがあります。
 現在、66名のPM認定者がおりますが、高難易度のプロジェクトを担当し、PM実績が認められた場合にのみ認定される狭き門のため、エキスパートランクは13名のみです。そのため、PM認定資格を保持している場合、優先的にPMとしてプロジェクトを任され、PMケイパビリティを実践で発揮することができます。

 エキスパートPMの私がここ数年経験したプロジェクトとしては、SaaS型の最新データベース導入、世界標準の会計パッケージ導入、海外拠点との協業などです。国際色豊かなやりがいのあるプロジェクトを多数経験でき、お客様への貢献を実感できると共に、自分自身の成長にもつながっています。

 以下、私が成功に導いた、プロジェクトの一例です。
 ①会社の期間システムである会計システムをクラウドに移行し、国際
  標準の会計パッケージを導入するプロジェクト(30億円規模)
 ②国際会計基準の決算を実現するため、国内・海外のグループ会社を
  巻き込んだ国際色豊かなプロジェクト(100億円規模)

リスクマネジメントとは

 これまで、高難易度の国際的な大規模プロジェクトをPMとして成功させてきた経験から、「プロジェクトの難易度はリスクマネジメントによる」と明言できるほど、リスクマネジメントは重要なポイントです。
 PMBOKの10の知識エリアのひとつとして、リスクマネジメント領域が挙げられます。この中で、リスクマネジメント計画では、リスクの特定・リスク分析・リスク対応計画を検討していく必要があります。ここでは、リスク対応計画における自分の体験談をお伝えしたいと思います。

 リスクの対応策には、「リスク回避」「リスク転嫁」「リスク軽減」「リスク受容」があります。下の図のようなイメージになり、発生確率・影響度に応じて、リスク対応策を選択していきます。例えば、発生確率・影響度の大きいリスクは、リスク回避を選択し、プロジェクトを計画変更することで、リスクを完全に排除します。また、発生確率・影響度が低いものは、受容を選択するなどリスクの影響に応じて、コンティンジェンシープランなど対策を検討していきます。

 私の経験から「リスク軽減」が高難易度のプロジェクトを成功に導くために最も重要であると考えています。理由として、プロジェクトで事前対策を計画し、WBSに落とし込むことでリスクの発生確率・影響度を下げることができる点があり、リスク回避などによるスコープ縮小によるプロジェクトの価値を落とすことなく、成功に導くことができるからです。

リスク対策の紹介

 次に、私がPMとして成功に導いた高難易度のプロジェクトにおいて、一例として新商品導入に対するリスクと対策をご紹介します。

リスク①:日本初導入のSaaS型データベースによる品質・パフォーマンス面のリスク

 ⇒プロジェクト開始前に、スピーディーに環境を用意できるクラウドの優位性を活かしPOC(proof of concept)を実施することで、早期に新製品の品質の見極めを実施しました。
 プロジェクトの早い局面のPOCにおいて、製品の制約・パフォーマンス測定・導入による非互換影響の見極めを実施した結果、ステークホルダーの満足度を満たすレベルに到達いるか確認が可能となり、プロジェクト最大のリスクを軽減させました。POCで洗い出された事象・特性をプロジェクト計画に反映させることで、後工程のリスクを軽減させるとともに、プロジェクト計画の精度がより高まり、プロジェクトを成功に導くことができました。

リスク②:海外製品導入のため、海外拠点メンバーとの障害発生時における即時対応を実現するためのコミュニケーションリスク

 ⇒製品の開発拠点であるトロントに実際に赴き、障害発生時の体制確認など、海外拠点のメンバーと対面で協議することで、現地メンバーとの信頼関係を築き、問題発生時に速やかに対処できる体制の確保を合意しました。
  また、体制だけでなく、POCで課題となった製品の不具合事象をまとめ、プロジェクトの重要性を直接海外拠点のメンバーと交渉することで、課題をクリアにして進めることができました。プロジェクトを通じて、海外との交流できる機会があるなど非常にやりがいがあります。

海外拠点での打ち合わせ風景
海外拠点での集合写真

さいごに

 リスクの軽減策においては、事前に対策を計画しWBSに落とすことで実効性が増し、なおかつリスクの発生確率、影響度を下げることができます。これがまさに高難易度のプロジェクト成功への重要なアプローチになります。
 また、リスク対策の一環で、製品の開発担当者に弊社が担当するシステムをレクチャーしたり各種調整を行ったりするために、ラスベガス・トルコ・ニューヨーク・シンガポール・トロントなどに出張する機会を得ました。海外志向の方にも、ぜひおすすめしたいです。

 このように、SOMPOシステムズでは、PMとしてやりがいのあるプロジェクトを経験できるチャンスが数多く得られます。興味を持った方は、ぜひ社内認定資格にチャレンジいただき、一緒にプロジェクトを成功させましょう!